「職業訓練忌避感定着の背景と課題へのご感想

2.2021年6月の論文は、いままでの研究成果をふまえ、要点をきわめて鮮明に論じてありわかりやすいものでした。この理解が普及するためには、歴史的な実証がいろいろな分野で進むことと、研究者自身が変な「権威」に左右されないことが必要だと思います。

1.一貫した「方法的態度」による研究の発展に敬服します。
 特にp.6の
「教育権」論は子どもの“全面発達”論に有利な普通教育論と馴染み,同時に職業訓練忌避観が同化した。そのような教育学の「教育権」論は,国民の進学志望と共鳴し,わが国に定着したと言える。
 は一面で鋭い炯眼と読みました。
追記
(教育学の主張である)「全面発達」なら職業能力,具体的な技能の評価も行うべきであった。しかし「普通教育」の枠から抜け出せなかった。それは職業訓練への根深い「忌避」というより蔑視があったと洞察します。……
 高校全入であれば,様々な適性・得意のある高校生が入学するのですから,評価も多様にして,その中に職業の技能も定置すべきだったのでしょう。
 先生の論考から,このように考えることができました。


2021年8月11日
「職業訓練忌避感定着の背景と課題-職業訓練批判と「教育を受ける権利」擁護の一体化による-」が職能大の『技能科学研究』38巻1号(2021年6月)誌に掲載されました。
昨年公開した下記の論文の戦後版になっています。上のタイトルをクリックして頂くとご覧頂けます。ご照覧いただきご意見、ご批判を頂ければ幸いです。
目次は次の通りです。
1.はじめに
2.課題と観点
3.「教育を受ける権利」と職業訓練
4.「教育を受ける権利」の信奉と職業訓練忌避観の定着
5.おわりに

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2020 年8月 1 4日に
職業訓練忌避観創生の背景と課題-「教育勅語」下の「教育を受ける権利」の主張と徒弟制度批判の重複化による-
を公開しました。本ホームページが最初のオリジナルです。上のタイトルをクリックして頂くとご覧頂けます。ご意見を頂けると幸いです。戦前を中心に整理しました。目次は次の通りです。
はじめに-「労働権-学習権」俯瞰の視座
1.「教育勅語」下の教育批判のタブーと「習業」の軽視
2.片山潜の「教育を受ける権利」論と徒弟制批判による職業訓練忌避観の土壌の創生
3.幸徳秋水による「教育を受ける権利」論の一般化と「工場法」批判
4.下中彌三郎による「教育を受ける権利」論の普及と労働観
5.「教育を受ける」意味と職業訓練忌避観の創生

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明治大学経営学研究所の『 経営論集』第66巻(2019.03)に
徒弟制度再考 -修業の意義と日本的教育観による忌避-
が掲載されました。目次は次通りです。
はじめに
承前 徒弟学校の設立と廃止
1. 「工場法」制定過程における教育論
2. 「工場法施行令」の「徒弟」条項
3. 日本工業協会の「徒弟」制研究
4. 「工場事業場技能者養成令」と改革案
5. 「労働基準法」の「徒弟の弊害排除」
6. 「職業訓練法」以降の施策
括  徒弟制度問題と日本的教育観

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『龍谷法学』第51巻第3号( 2019.02)に
混迷の戦後職業訓練法制 : 労働権に逢着しない
が掲載されました。目次は次の通りです。
はじめに
序 戦後直後の職業訓練体制:      戦前期法令の運用    
1.失業者対策から技能者養成へ:  「職業安定法」法理の曲解
2.労働者保護から技能者養成へ:  「労働基準法」の限界    
3.非学校としての「知識」の放棄: 「職業訓練法」の制定 
4.雇用政策への合流:       「雇用対策法」体制への組み込み
5.能力開発体系の構想化:     新「職業訓練法」の制定 
6.事業主期待の体制化:        「雇用保険法」の能力開発事業 
7.学校的制度からの還元:     「職業訓練法」の改正    
8.事業主主導体制の明確化:    「職業能力開発促進法」への改正
結 労働権に逢着しない要因:     「世界人権宣言」との差異

なお、重要な欠落に気づきましたので、下記について追加させて頂きます。71ページ下から4行目に下記を挿入する。
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 「能開法」により全面的に改正された基準は、企業の対応を容易にす
るためであった。制定された基準は当然ながら公共職業能力開発施設に
も準用される。このとき最大の問題となるのは、指導員の定員が従来は
「訓練生三〇人…につき三人」のように規定されていたのが、新基準で
は「適切な数」となった事である。「適切」とは明確な人数が定まって
いず、指導員の定員削減、公共職業能力開発施設の合理化の要因になって
いるのである。

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「わが国における『徒弟』法制化の課題-徒弟学校の設立・改廃と『工場法』徒弟制度との関連より-」が名古屋大学技術・職業教育学研究室『技術教育学の探求』第12号、2015年4月に掲載されました。

「木崎農民小学校の「非教育」の実践-明治大正期農民運動における就学要求の帰結-」が『明治大学社会教育主事課程年報』No.24、2015年3月に掲載されました。

「1950年代における労働と教育をめぐる課題-宮原誠一生産教育論変転の今日への示唆-」が日本社会教育学会の年報「日本の社会教育」第57週に標記の拙論が掲載されました(2013年9月27日)。

「これからの人間形成の法体系-「教育」と労働との接続に関する再編-」が日本社会教育学会編の『教育法体系の改編と社会教育・生涯学習』(東洋館出版社、2010年9月)に掲載されました。

「日本的『教育を受ける権利』の精神と問題-教育混迷の根源-」が明石書店『現代の理論』09年新年号に掲載されました。この論は、拙著『働くための学習』の核心の要約ともいえます。ご批判下さい。

「『生涯学習』-だれがその主役なのか?-」が大阪市市役所編による『都市問題研究』第55巻第11号に掲載されました。平成15年11月。

「日本人の人権意識における職業訓練観」を『産業教育学研究』誌に発表しました。(2000/7)

"Ergonagy-Its Relation to Pedagogy and Andragogy"他一編をオハイオ大学の紀要にマイケル・エバース氏との共著で発表しました。
https://www.researchgate.net/publication/234695401_Ergonagy_Its_Relation_to_Pedagogy_and_Andragogy

「『教育基本法』の『勤労の場所における教育』をめぐる教育観」を『職業能力開発総合大学校紀要』に発表しました。(1999/3)

「「職業訓練学」エルゴナジー・Ergonagyの位置と構造」を『職業能力開発研究』に戸田勝也先生との共著です。(1999年3月)

「"Education"は「教育」ではない」を『技能と技術』に発表しました。(1996年6号)

「職業訓練と教育をめぐる論点考」を『職業能力開発研究』誌に発表しました(1995年3月)。後半はこちらです。

「山田洋次監督の職業訓練観」を『技能と技術』1991年1号に発表しました。